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日本の病院についてのアンケート:集計報告
岸和田市国際親善協会の協力のもと、日本の病院についてのアンケート調査を行いました。
実施期間:平成22年3月~4月
対象: 岸和田市在住外国人75名(国際親善協会会員36名/その他企業研修生39名)
1.調査対象者の国籍別分布
①インドネシア:45名
②ベトナム: 7名
③中国: 5名
④ネパール: 2名
⑤韓国: 1名
⑥スリランカ: 1名
⑦カンボジア: 1名
⑧アフガニスタン:1名
⑨ロシア: 1名
⑩アメリカ: 1名

2.英語での会話能力
英語を話せる: 27名
英語を話せない: 48名
3.日本での滞在期間
①1年未満: 18名
②1~2年未満: 29名
③2~3年未満: 20名
④3~4年未満: 4名
⑤5年以上: 4名

4.医療機関の利用状況
利用したことがある: 37名
利用したことがない: 38名
5.利用した医療施設の種類(複数回答あり)
①診療所: 22名
②病院: 19名
③保健センター: 2名
④その他: 0
(利用した理由)
・自宅に近い(5名) ・あったから(1名)
・紹介された(2名) ・出産のため(1名)
・行ったことがある(1名) ・健康診断のため(1名)
・眼科(1名)
6.通院状況(同伴者について)
①一人: 10名
②家族: 5名
③友人: 12名
④通訳: 1名
⑤その他: 10名(会社の上司/日本人)
*今後もし行くとしたら…?
①一人: 1名
②家族: 2名
③友人: 6名
④通訳: 0名
⑤会社の上司:6名
7.医療施設内での日本語の理解度
医師やスタッフの日本語が分かる: 18名
医師やスタッフの日本語が分からない:17名
回答なし: 2名
8.医療施設での通訳の有無
施設内に通訳がいた: 1名
施設内に通訳がいなかった: 35名
解答なし: 1名
9.通訳依頼
依頼方法を知っている: 6名
依頼方法を知らない: 42名
解答なし: 27名
10.コミュニケーショントラブルの経験(医療機関にて)
言葉の問題で困ったことがある: 28名
言葉の問題で困ったことがない: 9名
(トラブルの内容)
・詳しいことが分からない ・医師に質問ができない
・専門用語が分からない ・服薬方法が分からない
・漢字が分からない ・手続きの方法が分からない
11.医療機関に対する不安、不満 要因
・医師の話が難しい/分からない ・待ち時間が長い
・自分の症状が十分に伝わるか不安 ・受付が不親切
・病気/薬の名前が分からない ・お金がどれくらいかかるか不安
・内服方法が分からない ・通訳がいない
・薬が多い ・緊急時に対応できる通訳がほしい
12.IMEDIATAへ伝えたいこと
・連絡方法を知りたい
・私たちを助けてくれるグループをたくさん作ってほしい
・早く診てもらいたい
・分かりやすい言葉がほしい
・ベトナム語(母国語)が話せるスタッフを希望する
<備考・考察>
(1)岸和田市の状況
岸和田市の人口: 約203,000人
岸和田市の外国人登録者数: 1954人(平成21年度)
1位 韓国・朝鮮
2位 中国
3位 フィリピン
4位 ベトナム
5位 インドネシア
人口のおおよそ1%が外国人登録者。
今回インドネシアの企業研修生39名がいるためインドネシア国籍の回答者が68%となった。回答者全員が日本語を勉強中である(ネイティブではない)。
(2) アンケート結果の解説と解析
英語理解能力に差があると予測されるが約半数は英語通訳での対応が可能である。
研修生など3年以内の滞在予定者が多い。
短期滞在の場合、日本の医療について情報を得る機会がない可能性がある。
医療機関の利用は、住居や会社近くの病院や診療所が大半を占める。
「通訳が居る病院を選ぶ」という選択は現状ではない。
研修など単独で来日している回答者が多い。
管理責任者である会社の上司や日本語の理解できる友人と受診する傾向がある。友人の種類は日本人、自分より日本語の話せる外国人、病院に行った経験のある外国人などが含まれると予測される。
質問6で28人が同伴者を連れて受診しているが、質問7からその中でも受診内容が理解されていないケースがあることが示唆されている。
約半数の人が受診時の医師やスタッフの使う日本語を理解できていない。
ほとんどが通訳に関する情報を知らないまたは提供されていない。
質問10、11、12より回答者の1/3が医療現場でのコミュニケーション上のトラブルを経験している。
自分の病気が理解できない、症状を訴えられない、正しく服薬できないなどは致命的であり生命の危機も危惧される。
会社などの保障がない場合は金銭面での不安などもあり受診の機会を逃す可能性がある。
受診方法や日本の医療システムについての情報も十分に得る機会がないのではないか?
ベトナム語やインドネシア語など少数言語の通訳も必要である。
病院側が外国人の対応に慣れていない可能性がある。
緊急時の対応が必要とされる。
-------------------------------------------------------------------------------------------
多文化共生の意識が広がる昨今ですが、医療現場はまだまだ単一民族(文化)思想から抜け出しきれてないようです。
フローレンス・ナイチンゲールの言葉に「病院は患者に害を与えてはならない」という言葉があります。
医療現場での言語や文化の違いによる医療者・患者間の認識の不一致や言葉の壁による情報提供の不足はその"害"に繋がるのではないでしょうか?
私たちの活動で一つでも多くの”害”を取り除くことができれば、と願っています。
岸上 さち子
正看護師として箕面市立病院集中治療室、栄公会訪問看護ステーションナース栄公等にて勤務経験あり。
現在は、2男1女の子育てをしながら外国人サポーター(英語)としてりんくう医療センターにて活動中。
2000年オーストラリア メルボルンへ語学留学
岸和田市国際親善協会会員
IMEDIATA渉外班
実施期間:平成22年3月~4月
対象: 岸和田市在住外国人75名(国際親善協会会員36名/その他企業研修生39名)
1.調査対象者の国籍別分布
①インドネシア:45名
②ベトナム: 7名
③中国: 5名
④ネパール: 2名
⑤韓国: 1名
⑥スリランカ: 1名
⑦カンボジア: 1名
⑧アフガニスタン:1名
⑨ロシア: 1名
⑩アメリカ: 1名

2.英語での会話能力
英語を話せる: 27名
英語を話せない: 48名
3.日本での滞在期間
①1年未満: 18名
②1~2年未満: 29名
③2~3年未満: 20名
④3~4年未満: 4名
⑤5年以上: 4名

4.医療機関の利用状況
利用したことがある: 37名
利用したことがない: 38名
5.利用した医療施設の種類(複数回答あり)
①診療所: 22名
②病院: 19名
③保健センター: 2名
④その他: 0
(利用した理由)
・自宅に近い(5名) ・あったから(1名)
・紹介された(2名) ・出産のため(1名)
・行ったことがある(1名) ・健康診断のため(1名)
・眼科(1名)
6.通院状況(同伴者について)
①一人: 10名
②家族: 5名
③友人: 12名
④通訳: 1名
⑤その他: 10名(会社の上司/日本人)
*今後もし行くとしたら…?
①一人: 1名
②家族: 2名
③友人: 6名
④通訳: 0名
⑤会社の上司:6名
7.医療施設内での日本語の理解度
医師やスタッフの日本語が分かる: 18名
医師やスタッフの日本語が分からない:17名
回答なし: 2名
8.医療施設での通訳の有無
施設内に通訳がいた: 1名
施設内に通訳がいなかった: 35名
解答なし: 1名
9.通訳依頼
依頼方法を知っている: 6名
依頼方法を知らない: 42名
解答なし: 27名
10.コミュニケーショントラブルの経験(医療機関にて)
言葉の問題で困ったことがある: 28名
言葉の問題で困ったことがない: 9名
(トラブルの内容)
・詳しいことが分からない ・医師に質問ができない
・専門用語が分からない ・服薬方法が分からない
・漢字が分からない ・手続きの方法が分からない
11.医療機関に対する不安、不満 要因
・医師の話が難しい/分からない ・待ち時間が長い
・自分の症状が十分に伝わるか不安 ・受付が不親切
・病気/薬の名前が分からない ・お金がどれくらいかかるか不安
・内服方法が分からない ・通訳がいない
・薬が多い ・緊急時に対応できる通訳がほしい
12.IMEDIATAへ伝えたいこと
・連絡方法を知りたい
・私たちを助けてくれるグループをたくさん作ってほしい
・早く診てもらいたい
・分かりやすい言葉がほしい
・ベトナム語(母国語)が話せるスタッフを希望する
<備考・考察>
(1)岸和田市の状況
岸和田市の人口: 約203,000人
岸和田市の外国人登録者数: 1954人(平成21年度)
1位 韓国・朝鮮
2位 中国
3位 フィリピン
4位 ベトナム
5位 インドネシア
人口のおおよそ1%が外国人登録者。
今回インドネシアの企業研修生39名がいるためインドネシア国籍の回答者が68%となった。回答者全員が日本語を勉強中である(ネイティブではない)。
(2) アンケート結果の解説と解析
英語理解能力に差があると予測されるが約半数は英語通訳での対応が可能である。
研修生など3年以内の滞在予定者が多い。
短期滞在の場合、日本の医療について情報を得る機会がない可能性がある。
医療機関の利用は、住居や会社近くの病院や診療所が大半を占める。
「通訳が居る病院を選ぶ」という選択は現状ではない。
研修など単独で来日している回答者が多い。
管理責任者である会社の上司や日本語の理解できる友人と受診する傾向がある。友人の種類は日本人、自分より日本語の話せる外国人、病院に行った経験のある外国人などが含まれると予測される。
質問6で28人が同伴者を連れて受診しているが、質問7からその中でも受診内容が理解されていないケースがあることが示唆されている。
約半数の人が受診時の医師やスタッフの使う日本語を理解できていない。
ほとんどが通訳に関する情報を知らないまたは提供されていない。
質問10、11、12より回答者の1/3が医療現場でのコミュニケーション上のトラブルを経験している。
自分の病気が理解できない、症状を訴えられない、正しく服薬できないなどは致命的であり生命の危機も危惧される。
会社などの保障がない場合は金銭面での不安などもあり受診の機会を逃す可能性がある。
受診方法や日本の医療システムについての情報も十分に得る機会がないのではないか?
ベトナム語やインドネシア語など少数言語の通訳も必要である。
病院側が外国人の対応に慣れていない可能性がある。
緊急時の対応が必要とされる。
-------------------------------------------------------------------------------------------
多文化共生の意識が広がる昨今ですが、医療現場はまだまだ単一民族(文化)思想から抜け出しきれてないようです。
フローレンス・ナイチンゲールの言葉に「病院は患者に害を与えてはならない」という言葉があります。
医療現場での言語や文化の違いによる医療者・患者間の認識の不一致や言葉の壁による情報提供の不足はその"害"に繋がるのではないでしょうか?
私たちの活動で一つでも多くの”害”を取り除くことができれば、と願っています。
岸上 さち子
正看護師として箕面市立病院集中治療室、栄公会訪問看護ステーションナース栄公等にて勤務経験あり。
現在は、2男1女の子育てをしながら外国人サポーター(英語)としてりんくう医療センターにて活動中。
2000年オーストラリア メルボルンへ語学留学
岸和田市国際親善協会会員
IMEDIATA渉外班
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