スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

はじめに

「医療通訳者コラム」は、IMEDIATA(イメディアータ、りんくう国際医療通訳翻訳協会)のメンバーからのメッセージです。
IMEDIATAは、医療機関にて訓練を受け、実績を積んだ医療通訳者及び外国人サポーターから成る一般社団法人です。
医師・看護師など医療の専門家と医療通訳者との連携で2010年1月に設立されました。
詳しくはホームページ http://www.imediata.jp/ をご覧ください。
また、「医療通訳者の声」 http://www.imediata.jp/voice.html もご参照ください。

IMEDIATAブログ担当 
松本佐紀子
英語医療通訳者、通訳・翻訳者。総合メーカーで翻訳・海外事業管理に従事後、日系半導体メーカーのインドネシア法人で通訳・翻訳・マネジメントを担当。帰国後フリーランス通訳・翻訳者。2006年より医療通訳を担当。
スポンサーサイト

堺 自由の泉大学で 在住外国人の生活困難・医療問題について 講演会を開催

6月6日に堺自由の泉大学で中萩エルザ先生が講演をされました。300人以上の聴衆がつめかけ、大変中味の濃い、楽しい講演でした。

20120606堺自由の泉大学講演(中萩さん)

-------------------------------------
「在住外国人が抱える生活困難・医療問題」

1-自己紹介・活動紹介

2-外国人登録者数 
・190ヶ国   2,217,426人 (1.74%)(2008年統計)(上位5は:     )
・国際結婚 6.1%(2006年) 

3-外国人のプロフィール
   ・住居問題 - 地域の繋がり(母国の人のコミュニティー)- 労働に関して 
ー 子育て、子ども達の教育に関して  
 
4-日本における過去12年間の日系ブラジル人の動向 ・ 症状から見えてくる生活

5-外国人における医療の違い・問題
  ・言葉の壁
  ・文化の違い
  ・信仰心の持ち方の違い
  ・医療サービスの違い
  ・システムの違い

6-医療とその他の関係
  ・医療と、労働と教育の関係
  ・派遣会社の問題
  ・雇用主・労働基準監督署

7-医療通訳の役割・特徴
・ 難しさ 専門用語(体の部位、症状、検査、治療など)
    ・ 身分保障がない・ 支払い ・ 時間の予測が立たない
    ・ “ついで係り”
    ・ ターミナル患者 ・ 死亡した患者とその家族へのサポート
    ・ 感染症・STD/HIV・AIDS の患者の通訳

8-医療ツーリズム

9-日本の方々へのお願

10-外国人達へのアドバイス

-------------------------------------
川向洋子
スペイン語医療通訳者。メキシコで自動車会社の技術通訳翻訳、商工会議所での経済分野の通訳翻訳をした後、帰国後はフリーランスの通訳・翻訳者。2009年より医療通訳に従事。

大阪府立大学羽曳野校にて「実践看護英語コミュニケーション講座」開講

今年の10月15日から12月6日まで、大阪府立大学羽曳野校にて看護学部生を対象に、全8回の「実践看護英語コミュニケーション講座」を実施しました。

IMEDIATA英語グループから6人の講師が、看護師が実際遭遇する問診、バイタルサインのチェック、妊娠・内科疾患診療、服薬指導に関する基本・必須英語表現を、反復演習・ロールプレイなどを通じて指導しました。 特に医療英語には、難解な発音の用語も多く、発音指導にも注力しました。最終回では、それまでに修得した英語表現・医療英語をフルに活用して貰う為、チームに分かれ、各チームで模擬ロールプレイを企画、実践して貰いました。参加者した学生さんからは、とても楽しい雰囲気の中で、医療英語に触れることが出来たと喜んで戴きました。
 
授業風景(鈴木さん)府立大学convert_20111220201716

角 富雄
現在、同志社大学院ビジネススクールで教鞭をとる傍ら、2008年からりんくう国際医療センターにて英語通訳に従事、且つ医療従事者向けに医療英会話の講師も担当中。

堺市と平成23年度ボランティア通訳医療中国語講座を共催

堺市に登録されているボランティア通訳者を対象に“ボランティア通訳者”として忘れている知識・技能の復習、そして通訳レベルにさらに磨きをかけることを目的として開催されました。
講座は、王百合と吉田智美がペアティーチング担当。 医療通訳倫理を踏まえながら、糖尿病をテーマに診察・検査・診断・投薬・糖尿病教室の内容で8月~9月の間で3回に分けて行いました。
台風や連休にも関わらず、受講者は定員の20名を超えた方々にご参加いただきました。
皆様、ご参加ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。

2011堺中国語講座12011堺中国語講座2

医療通訳講師 吉田智美
台湾南投県出身。日本で教育を受けた後、カナダに移住。
現在、法医学教室の研究員として法歯学を担当する傍ら、フリーランスで英会話講師を務める。
TEFL Certificate (英語教授法課程修了証)
博士(医学)、学士(歯学)

関西テレビ「スーパーニュースアンカー」に IMEDIATA の医療通訳者が出演

9月28日夕の関西テレビ「スーパーニュースアンカー」の特集で、医療通訳が採りあげられました。

りんくう総合医療センターの国際外来が紹介され、国際外来担当医でIMEDIATA理事長の南谷先生やスペイン語通訳者の川向さんが、医療通訳の現状や問題点を説明されました。
単に言語ができるだけでなく、医師の話すニュアンスがわかるだけの医療知識がなければならないこと、病院では医療通訳者のチェックができないため、問題が起きる前に対処せねばならないこと等が指摘されました。

また、大阪大学の中村教授は、医療通訳士の国家資格や法律がないため、必要なのは、医療通訳士の報酬・身分保障制度を確立することと、技術を向上させるシステムを作ることであると述べられました。

IMEDIATAでは、言葉がわからずに苦労されている患者さんと医療従事者の橋渡しを行っています。
診察室での通訳をはじめ、医療関係書類の翻訳、学会の通訳、医療従事者への外国語講座、国際外来設置のお手伝いなどを行います。今まであきらめていたこと、どこに頼んでいいかわからなかったこと、そういったことを1つ1つ解決し、誰もが当然受けられるべき医療が提供される社会となることを願っています。

英語医療通訳者 松本佐紀子

時事通信社で IMEDIATA の医療通訳者が記事に

20110502時事通信記事

堺市と医療英会話講座を共催

堺市医療英会話_角さん_convert_20110309171838堺市医療英会話_河合さん_convert_20110309172257

IMEDIATAでは、堺市と医療英会話講座を共催しています。10月24日(日)と、11月28日(日)の写真です。
受講者は、登録数33名、主に堺市国際課登録通訳で、4~5人の市立堺病院のドクター、研修医、保健婦さん達です。

IMEDIATA医療通訳者
河合和代

TV 海外医療ドラマ

最近多くの海外医療ドラマが放映されています。 既に良く知られているER (Emergency Room)「救急救命室」は英語の教材としても使われていますので皆さんには馴染みのある番組です。

医師から見た現場:
1)“ER”が代表的なものですが、
2)“Dr. House”は並外れた超優秀な、超個性的な医師の指揮下で毎回超難解な病状を分析・解決していくドラマ。医療用語は矢継ぎ早に沢山出てきます。現在はシーズン5.
3)“Grays’ Anatomy”は研修医(resident, clinical trainee)の日々の奮闘ぶりを扱ったドラマです。 登場人物に若手が多く、医師として育っていく過程も見られ、比較的容易に筋書きを追っていけますので、見やすいかもしれません。シーズン3.

法医学(forensic medicine)の視点では: 
1)“Bones” は残された骨を分析し、その人の身元解明、死因等を解明し事件解決へと導くドラマ。
2)“Silent Witness” (BBC製作) 
女性検視医が難事件を解決へと解き明かします。サスペンスドラマとして楽しめます。

看護士を中心にドラマが展開されているものとして
1)“しあわせの処方箋” 現在シーズン2に入っています。
  Richmond Trinity Hospital が財政難で閉鎖され、より良い条件の次の病院勤務オファーを断りJames River Hospital(最悪?)へと移った医師と看護士達が奮闘するドラマ。
2)”Mercy Hospital”
看護士達が病棟で日々活躍する姿と私生活をも描かれているメディカル・ヒューマン・ドラマ。

精神科(psychiatry)を扱っているドラマ:
1)”Mental” (日本語題名 「いやしのカルテ」)
  精神科を扱っているドラマは珍しく、興味を持てるところかもしれません。

そして、最後にご紹介するのが最近話題の臓器移植を扱ったドラマ:
”Three Rivers” (日本語題名 「命をつなぐ熱い医師」)
日本では臓器移植法が改正され、最近新聞・TVでチラホラと報道されておりますが、アメリカで放映されているこのドラマ、最初は刺激が強すぎるとか違和感を感じる人も多いのではと思います。 

例えば: 臓器提供者(ドナー)と臓器受け取る人(レシピアント)と直接コンタクトがあったり、両者の家族をも含めてパーティが開かれたり、現時点では恐らく日本では当分実現される事の無い(?)場面が出てきます。手術室では臓器をそっと両手で渡している場面がしばしば出てきます。

ある日のドラマ:  「新郎・新婦が教会で式を挙げていて、牧師が夫婦として認めた次の瞬間に外から入ってきた人に銃で撃たれ新婦が倒れ病院に運ばれます。脳死状態になり、臓器移植の話になりますが、新婦の母親は臓器提供を拒絶します。しかし新郎は「妻は臓器移植を望む」はずとして、承諾します。 母親は断固として‘NO’と言い張りますが、法律では結婚の契りを済ませて数分で妻をなくした夫に決定権があります。

その後紆余曲折がありますが、母親も移植に同意し臓器移植はなされます。術後、ドナーの母親がレシピアントの病室を訪問します。レシピアントは母親に感謝を述べます。母親はレシピアントに娘の心臓音を聞かせて欲しいと願い、承諾され、母親がレシピアントの胸に耳をつけ鼓動を聞きます。」

このドラマで出て来るUNOSは”United Network of Organ Sharing Score”です。

医療英語を学びたいとか、慣れていこうと考えておられる皆様には、ER、Dr. House、Three Riversがお勧めです。 医療英語・会話が45分間ドラマの中で早いテンポで、多く飛び交っています。

個人的にはBBC製作(イギリス英語)のSilent Witnessが好きです。 皆様はどのドラマをごらんになりますか? 

M. Nakagawa (英語サポーター) January 2011 
外資系企業勤務28年間(イギリス系20年、アメリカ系8年)。
OFIX(大阪府国際交流財団)主催の医療通訳ボランティア養成研修受講後2009年2月からりんくう総合医療センターにて外国人サポーター(英語)として登録し現在に至る。

中国語 -- 「請多保重」

日本で体調のよくない方に、最後よく「お大事に」と言います。中国語の対応の言葉は「請多保重」があります。知り合いの間では、もっと簡単にいいますと、「多保重」でOKです。
「請多保重」の拼音(ローマ字スペル)は「 qing duo bao zhong 」で、「 qing 」は第三声「v」で、「 duo 」は第一声「―」で、「 bao 」は第三声「v」で、「 zhong 」は第四声「\」です。日本語のカタカナで書くと、「チン ドォー ボォー ヅォン」かなぁ~(この発音はあまり勧められないですが)
医療現場でもお見舞いでも最後に、「お大事に」と同じく使ったら、大丈夫ですが。医療通訳の現場で、中国語の患者さんに対し、最後に「請多保重」の一言を加えると、すごく親近感が持たれると思います。
また、「請多保重」は「お気をつけてください」の意味もあります。幅広く使える挨拶用語になっております。

陶 彬毅

中国語 -- 「恭喜」

 中国も世界の諸各国と同じ、いいことがあるとき、中国語でよく「恭喜」という言葉を使われます。日本語で「おめでとうございます」の意味です。
 「恭喜」の拼音(ローマ字スペル)は「 gong xi 」で、「 gong 」は第一声「-」で、「 xi 」は第三声「v」です。日本語のカタカナで書くと、「ゴン シ」かなぁ~(この発音はあまり勧められないですが)
 医療現場で「おめでとうございます」っていう言葉は普通に使われないと思いますが、産科だけでは、元気なお子様が生まれるとき、使えます。
 同じく医療現場で退院する場合、いいことだけど、「恭喜」はあまり言いません。
 使い分けの場面はややこしいですが、使える自信がなければ、もちろん使わないほうが無難だと思います。

陶 彬毅
中国で10年間放射線医師で、日本の貿易会社で8年間勤務、
りんくう総合医療センターで中国語の医療通訳暦3年

日本の病院についてのアンケート:集計報告

岸和田市国際親善協会の協力のもと、日本の病院についてのアンケート調査を行いました。

実施期間:平成22年3月~4月
対象: 岸和田市在住外国人75名(国際親善協会会員36名/その他企業研修生39名)

1.調査対象者の国籍別分布
  ①インドネシア:45名
  ②ベトナム:   7名
  ③中国:      5名
  ④ネパール:   2名 
  ⑤韓国:     1名
  ⑥スリランカ:  1名
  ⑦カンボジア:  1名
  ⑧アフガニスタン:1名
  ⑨ロシア:     1名
  ⑩アメリカ:    1名
岸和田グラフ

2.英語での会話能力
  英語を話せる:  27名
  英語を話せない: 48名

3.日本での滞在期間
  ①1年未満:    18名
  ②1~2年未満:  29名
  ③2~3年未満:  20名
  ④3~4年未満:   4名
  ⑤5年以上:     4名
岸和田グラフ2


4.医療機関の利用状況
  利用したことがある:  37名
  利用したことがない:  38名


5.利用した医療施設の種類(複数回答あり)
  ①診療所:        22名  
  ②病院:          19名
  ③保健センター:     2名
  ④その他:          0
(利用した理由)
 ・自宅に近い(5名)      ・あったから(1名)
 ・紹介された(2名)      ・出産のため(1名) 
 ・行ったことがある(1名)   ・健康診断のため(1名)
 ・眼科(1名)

6.通院状況(同伴者について)
  ①一人:  10名
  ②家族:   5名
  ③友人:  12名
  ④通訳:   1名
  ⑤その他: 10名(会社の上司/日本人)

*今後もし行くとしたら…?
  ①一人:   1名
  ②家族:   2名
  ③友人:   6名
  ④通訳:   0名
  ⑤会社の上司:6名

7.医療施設内での日本語の理解度
  医師やスタッフの日本語が分かる:   18名
  医師やスタッフの日本語が分からない:17名
  回答なし:                   2名

8.医療施設での通訳の有無
  施設内に通訳がいた:           1名
  施設内に通訳がいなかった:      35名
  解答なし:                  1名

9.通訳依頼
  依頼方法を知っている:           6名
  依頼方法を知らない:            42名
  解答なし:                   27名

10.コミュニケーショントラブルの経験(医療機関にて)
  言葉の問題で困ったことがある:    28名
  言葉の問題で困ったことがない:     9名
(トラブルの内容)
  ・詳しいことが分からない         ・医師に質問ができない
  ・専門用語が分からない         ・服薬方法が分からない
  ・漢字が分からない            ・手続きの方法が分からない

11.医療機関に対する不安、不満 要因
  ・医師の話が難しい/分からない     ・待ち時間が長い
  ・自分の症状が十分に伝わるか不安 ・受付が不親切
  ・病気/薬の名前が分からない      ・お金がどれくらいかかるか不安
  ・内服方法が分からない         ・通訳がいない
  ・薬が多い                  ・緊急時に対応できる通訳がほしい

12.IMEDIATAへ伝えたいこと
  ・連絡方法を知りたい
  ・私たちを助けてくれるグループをたくさん作ってほしい
  ・早く診てもらいたい
  ・分かりやすい言葉がほしい
  ・ベトナム語(母国語)が話せるスタッフを希望する

<備考・考察>
(1)岸和田市の状況
  岸和田市の人口:         約203,000人
  岸和田市の外国人登録者数:     1954人(平成21年度)
      1位     韓国・朝鮮
      2位     中国
      3位     フィリピン
      4位     ベトナム
      5位     インドネシア

 人口のおおよそ1%が外国人登録者。
 今回インドネシアの企業研修生39名がいるためインドネシア国籍の回答者が68%となった。回答者全員が日本語を勉強中である(ネイティブではない)。

(2) アンケート結果の解説と解析
 英語理解能力に差があると予測されるが約半数は英語通訳での対応が可能である。
 研修生など3年以内の滞在予定者が多い。
 短期滞在の場合、日本の医療について情報を得る機会がない可能性がある。
 医療機関の利用は、住居や会社近くの病院や診療所が大半を占める。
 「通訳が居る病院を選ぶ」という選択は現状ではない。
 研修など単独で来日している回答者が多い。
 管理責任者である会社の上司や日本語の理解できる友人と受診する傾向がある。友人の種類は日本人、自分より日本語の話せる外国人、病院に行った経験のある外国人などが含まれると予測される。
 質問6で28人が同伴者を連れて受診しているが、質問7からその中でも受診内容が理解されていないケースがあることが示唆されている。
 約半数の人が受診時の医師やスタッフの使う日本語を理解できていない。
 ほとんどが通訳に関する情報を知らないまたは提供されていない。
 質問10、11、12より回答者の1/3が医療現場でのコミュニケーション上のトラブルを経験している。
 自分の病気が理解できない、症状を訴えられない、正しく服薬できないなどは致命的であり生命の危機も危惧される。
 会社などの保障がない場合は金銭面での不安などもあり受診の機会を逃す可能性がある。
 受診方法や日本の医療システムについての情報も十分に得る機会がないのではないか?
 ベトナム語やインドネシア語など少数言語の通訳も必要である。
 病院側が外国人の対応に慣れていない可能性がある。
 緊急時の対応が必要とされる。

-------------------------------------------------------------------------------------------
多文化共生の意識が広がる昨今ですが、医療現場はまだまだ単一民族(文化)思想から抜け出しきれてないようです。
フローレンス・ナイチンゲールの言葉に「病院は患者に害を与えてはならない」という言葉があります。
医療現場での言語や文化の違いによる医療者・患者間の認識の不一致や言葉の壁による情報提供の不足はその"害"に繋がるのではないでしょうか?
私たちの活動で一つでも多くの”害”を取り除くことができれば、と願っています。

岸上 さち子
正看護師として箕面市立病院集中治療室、栄公会訪問看護ステーションナース栄公等にて勤務経験あり。
現在は、2男1女の子育てをしながら外国人サポーター(英語)としてりんくう医療センターにて活動中。
2000年オーストラリア メルボルンへ語学留学
岸和田市国際親善協会会員
IMEDIATA渉外班

「第3回医療通訳を考える全国会議」に参加した感想

 2010年8月21日(土)に、「多文化共生センターきょうと」が主催して、「第3回医療通訳を考える全国会議」が行われました。
 会場は、JR京都駅前の、「キャンパスプラザ京都」が使われました。
 構成は、3部に別れ、第1部と第3部は、「実践者会議」が行われ、「医療通訳共通基準」を作成することを目的に、医療通訳者に必要な、「知識・技術・倫理」などについて、全国から集まった11もの、医療通訳の活動・派遣を実施している団体の代表者達が、活発な意見交換をしました。
 地域的には、北海道から1団体、東北地方から2団体、関東から1団体、三重県から1団体、関西からは4団体、鳥取県から1団体、そして全国をカバーする「医療通訳士協議会」が含まれていました。
 第2部の「フォーラム」では、話題の焦点は「メデイカルツーリズム」に絞られ、アジアの医療観光の事情と実態が紹介され、非常に興味深かったです。
 具体的には、タイからは医療観光を実践している医療従事者が、韓国からは医療通訳者が、各々現地から回線を結んでの中継で報告され、又日本からは、既に実践されている徳島県の病院の実践報告がありました。
 韓国では、国レベルでの支援があり、5ヶ国語(英語、日本語、中国語、ロシア語、アラブ語)の通訳者達は、6ヶ月間で200時間の研修を義務付けていると聞き、非常な熱の入れ様に感心しました。
 タイでは、国立病院より私立病院の方が医療観光を視野に入れた体制が取り易く、東南アジア最大のバンコク病院グループでは、15ヶ国語もの言語に対応した通訳サービスを実施しているのには驚きました。 
 韓国、タイ、シンガポールなど、やはり観光インフラが充実している国々は、医療観光を取り入れ易い地盤があると思いました。
 しかし、医療技術も伴わなければいけないことは明白です。 日本はその点では、世界に誇れる技術力の高さがあると思います。
 「メデイカルツアーが流行る理由」は興味を惹かれました。 次の通りです。
・物価が安い。 ・医療レベルが高い。 ・治安が良い。 ・観光インフラがしっかりしている。 ・外国人観光客が多く、その対応に慣れている。 ・医療従事者が英語を話せる。 ・外国人が多く住んでいる。 ・宗教的に厳格ではない。       
 今後、日本でメデイカルツーリズムを普及させて行くには、「地域医療に影響を与えない。」「治療目的ではなく、検査中心で、その後の治療に関しては、患者の国の医療機関と上手く連携を取って行けるか。」などまだまだ多くの課題があるように思えました。
 又、医療通訳の活動環境にも大きな影響を与えることには違いないとも思いました。
                       
IMEDIATA 医療通訳者
河合和代
英語教師を経て、ハワイ大学大学院にてTESOL(第二言語としての英語指導法)習得。
帰国後、KAWAI ENGLISHを主宰し、日⇔英の通訳・翻訳と英会話・日本語指導等を実施。
医療通訳としては、2007年秋から大阪府立の複数の病院に於いて、2008年春からはりんくう国際医療センターに於いても活動している。

2010年5月 結核患者服薬指導(DOTS)の通訳

日本では結核患者が増加しており、外国人の結核も問題になっています。堺市では、外国人患者に対するDOTS政策を推進するため、(株)インタースクールに事業委託をし、IMEDIATAの医療通訳者が対応することになりました。今回、中国語通訳者である私が、患者の服薬指導の通訳を行いました。

当日、堺市の保健師と合流して結核専門病棟で患者さんに会いました。DOTSの手順通りにマスクを正しく装着し、患者さんと保健師の間に立ち通訳をしました。

患者さんは、自分が結核にかかっている事実に戸惑っていました。全員マスクをしているので、話す言葉がやや聞き取り難く、またマスクの下から相手に言葉を伝えるのも苦労しました。けれども、日本語の不自由な患者さんは、母国語で説明を受けたことでかなり緊張と不安が和いだようでした。

保健師は丁寧に入院勧告の経緯、結核治療の流れと公費による負担範囲の手続きについて患者さんに説明しました。また患者さんからは、入院についての要望と質問があり、それを保健師に伝えると、患者さんは、安堵した様子で、笑顔で答えてくれました。3時間弱の長い服薬指導の後、保険師と私は結核専門病棟を後にしました。

以前から他の病院でもいろいろな医療通訳を経験してきましたが、そういった経験が今回医療通訳に役立ったことはとても喜ばしいことです。

医療通訳に携わる私の信念は、母国語で説明を受けることで患者さんが自身の病について理解し、安心して治療に専念できることです。今回のDOTSの通訳は、医療通訳者の果たす役割の大切さを知る上で、大変貴重な経験となりました。今後も、一人でも多くの外国人患者が、安心して医療サービスが受けられるよう、医療通訳としての責務を果たし行きたいと思います。

郭 静儀
日本の企業にて中国、台湾との輸出入貿易の業務勤務。
後に中国語のりんくう医療通訳士、大阪府中国語教育サポーターとなり、2010年より IMEDIATA理事となる。

りんくう総合医療センター 医療英会話講座アンケート

IMEDIATAでは、りんくう総合医療センター 市立泉佐野病院で、毎月 医療英会話講座を行っておりますが、受講者よりアンケートのご回答を頂きましたので、掲載させていただきます。ご協力ありがとうございました。
講座内容につきましては、ホームページをご覧ください。(松本佐紀子)
http://imediata.web.fc2.com/kouza.html

りんくう医療英会話風景(河合) 006_2_s
---------------------------------------------------------
 毎回、欠かさず出席させていただいております。
 講義内容は、具体的かつ実用的で、大変勉強になります。
 次回からも楽しみにしております。
---------------------------------------------------------
 わかりやすく工夫された内容なので、
 楽しみながら学ぶことができます。
 もっと多くの人達が参加されれば良いと思います。
---------------------------------------------------------
 毎回楽しい授業で、本当に有難うございます。
 ERでの表現、テキストにのっていない表現など
 私にとっては(市販の参考書しか知らない)
 刺激的なレッスンで毎回期待しています。       (以上 医療通訳者)
---------------------------------------------------------

りんくう英会話角さん2IMG_0336_s
---------------------------------------------------------
 - もっと多種の会話が知りたいです。
 - 角さんが好きです。                    (医師)
--------------------------------------------------------- 
 事前に何科で、どの様な事を習うのかをおしえて頂いていたので、
 少しでも予習が出来るので良かった。          (認定外国人サポーター)
---------------------------------------------------------

IMEDIATA医療通訳者 吉松さんが 阪大NEWSLETTERに掲載

IMEDIATA会員でりんくう総合医療センター医療通訳者の吉松由貴さんが、阪大NEWSLETTER No.48(2010夏)に掲載されました。(松本佐紀子)
吉松さん阪大NewsLetter

市立芦屋病院での医療英会話講座が新聞に掲載

IMEDIATAが行っている市立芦屋病院(兵庫県)での医療英会話講座について、次のとおり神戸新聞に掲載されました。(松本佐紀子)

英語でOK「国際外来」 市立芦屋病院に新設
 芦屋市立芦屋病院(同市朝日ケ丘町)が、病状の聞き取りから診察の説明まで、すべて英語でやりとりする「国際外来」を設置した。同様の部署を持つ公立病院は兵庫県内で初という。外国人居住者の多さが背景にあり、英語に堪能な看護師2人を採用した。
 芦屋市では昨年12月末現在、1808人の外国人が居住し、市民全体の1.9%を占める。
 市立芦屋病院では、医師はほぼ英語を話せるが、職員や看護師らは、受付や電話の対応に困る場面が少なくなかった。また、日常会話なら日本語を話せる外国人の患者も、病気について説明するのは難しいこともあり、国際外来として体制を整えることにした。
 今後、看護師や職員らを対象に、月1回ペースで英会話講座を行い、英語力の底上げを目指す方針。将来はボランティアの活用も検討している。
 同病院の佐藤徳治事務局長は「異国で病気になるのは不安なもの。外国人にも質の高い医療を提供したい。国際文化住宅都市を掲げる芦屋にふさわしい、特色のある病院を目指す」と話す。
 同様の国際外来は、関西空港に近い「りんくう総合医療センター市立泉佐野病院」(大阪府泉佐野市)に設けられている。
(神戸新聞 切貫滋巨)
(2010/04/28 15:45)

市立芦屋病院で医療英会話講座を開催

芦屋病院2_convert_20100718223801芦屋病院1_convert_20100718223929

4月23日市立芦屋病院にて、IMEDIATAによる初めての医療英会話講座が5時半~7時まで催されました。教育委員の小松真奈美さんを講師に、今回のテーマは、『診療申し込み』『Emergency English(聞き取れなかった時の表現)』。
院長のお陰で、なんと90名近い病院のスタッフ(総数の約半数にあたります)が集い、廊下のベンチを3つも室内へ運ばねばならなかったほど、盛況でした。室内は熱気で溢れかえっていました。 講師20年のベテランの小松さんの授業運びもスムースで、仕事の後にも拘わらず皆さん、熱心にロールプレーに興じられました。IMEDIATAからは、他に事務局長の辻本氏、コーディネート委員の河合氏、吉田氏、白神が オブザーバーとして参加しました。 毎月1回開催を予定しています。スケジュールは次の通りです。
http://imediata.web.fc2.com/ashiya.html

白神美和子
二十余年の数カ国に亘る海外生活に終止符を打つべく、8年前に帰国。2003年から箕面で医療通訳ボランティア活動に従事。2005年よりりんくう医療通訳士(英語)。今年からIMEDIATA専属。大手英会話学校講師。

海外ドラマ(ER)からの医療英語表現 2

「何か薬を服用していますか?」は英語で何と言いますか?
(ER1 第2話 誤診 Day one から)

危篤状態である高齢の女性患者の夫にグリーン先生が尋ねています。

What kind of (        ) is she (      ) ?

答えは
What kind of ( medication ) is she ( on ) ?

medication には「薬」と「薬による治療」という意味があります。
be on medication 「薬での治療中である」

後ろに for をつけて
be on medication for 疾患名や体の部位

では「糖尿病の薬を飲んでいる。」「肝臓の薬を服用している。」は何と言うでしょう?
I'm on medication for diabetes / my liver.

なぜここでは、medication の前に前置詞 on がつけられているのでしょう。
もともと on は「接している」という意味から「頼っている」や「身につける」などの
意味が出てきます。

つまり on medication 「薬に頼っている」⇒「薬で治療中である」
put on a respirator 「呼吸器を身につける」⇒「呼吸器をつける」

ERでは以下のセリフがでてきます。参考までに
If we put her on a respirator, we may not be able to wean her off.
We'd be prolonging her life in a vegetative state.

「呼吸器をつけると外せなくなり、植物状態で単なる延命になるでしょう。」

ちなみに「(彼女は)危篤状態です。」は Her condition is terminal. です。

                        (医療英語講師・医療通訳 小松真奈美)

海外ドラマ(ER)からの医療英語表現 1

医療通訳現場で出てくる英語表現には医療英語特有のものがあり、日頃から表現や言い回しをストックしておく必要があります。そこで私が活用しているのが、医療関係のTVドラマやペーパーバックからの表現です。

アメリカで1995年から2009年まで放映された海外ドラマER(Emergency Room緊急救命室)では、役に立つ医療英語表現がたくさん出てきます。以下はER1の第6話 Chicago Heatに出てきたフレーズです。英語と日本語を見て(  )に中に入る英単語を考えてみましょう。


彼女は突然ひどい呼吸困難を起こしました。
She had a sudden (    ) of severe (     )(    ).

5歳の女の子が大動脈縮窄(coarctation of the aorta)で運ばれてきたシーン。
結局はコカインの薬物中毒と判明するのですが、、。

答えは

She had a sudden (onset) of severe (respiratory )(distress).

onsetはもともと「良くないことが始まる」という意味で「病気の発症、発病、発生」
という意味で使われます。onset and course of the present illnessは「現病歴の発症と経過」で英文カルテの項目などで出てきます。

呼吸困難はここではrespiratory distressを使っています。
医学用語ではdyspnea のdys-は「困難,不全、異常 」 -pnea は「呼吸」という意味です。関連用語としては、apnea 無呼吸 orthopnea 起座呼吸などがあります。

「呼吸」はrespiration(名詞)で、respiratoryは形容詞になります。
distressは一般用語では「悩み、不幸」などの意味ですが、医療では「痛み、病気、異常、困難」で使えるようです。例えば、heart distress「心臓病」physical distress「身体の痛み」などがあります。

小松真奈美
医療英語・看護英語講師、英語医療通訳者、通訳案内士(英語)。大学病院看護師を経て、イギリス留学後、大手英会話学校にて英会話講師として勤務。現在医療系専門学校等で医療・看護・福祉英語を担当。

 | HOME | 

プロフィール

IMEDIATA

Author:IMEDIATA
医療、教育、ビジネス、通訳 … 様々なバックグラウンドを持つ
医療通訳者、関係者からの
メッセージです。

詳しくは 「はじめに」 を
お読みください。


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ

はじめに (1)
医療英語コラム (3)
医療中国語コラム (2)
医療通訳者コラム (2)
医療通訳記事 (2)
講座・研修レポート (7)
受講者の声 (1)
調査報告 (1)
未分類 (0)

検索フォーム


RSSリンクの表示


リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。